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キミの体温 ボクの吐息
第3章 り
マンモス社員の巨大な会社で、お目当ての女の子に
約束もなしに会うのは至難の技で
案の定、俺と白石も次の週は全く会うことはなかった。
それでも忙しい毎日のふと集中が切れた時に
思い出すのは白石の事で
学生の時以来のこの感情に
白石に感謝したいぐらいの気持ちになった。
白石に会えなくても確実に毎日朝は来るもので
そして夜は残業の嵐だ。
毎日終電の時間まで働いて
それでもその後飲みに行く。
帰りは決まってタクシーで
それで仕事がはかどるなら、と上層部のタクシーチケットのチェックは甘い。
のちにバブルと呼ばれるその社会現象は
どう考えても狂っていて
終わりが分かっているかのように
皆が皆、日本中が良く仕事をしてよく遊んだ。
そして、全く白石に会えないまま再び花金が来て
当たり前のように加賀と新山下までタクシーに乗りこむ。
先週のこの時間に白石に会ったんだっけ。
そんな未練がましい感情を払拭したくて
先週と同じようにコロナビールにライムを押し込んで
あ、っと思い出したように加賀に言った。
「そういえばさ、加賀。総務に可愛い子がいるって言ってたよな?」
「ああ、白石ちゃん?」
白石ちゃん?
なんだその呼び方・・・
約束もなしに会うのは至難の技で
案の定、俺と白石も次の週は全く会うことはなかった。
それでも忙しい毎日のふと集中が切れた時に
思い出すのは白石の事で
学生の時以来のこの感情に
白石に感謝したいぐらいの気持ちになった。
白石に会えなくても確実に毎日朝は来るもので
そして夜は残業の嵐だ。
毎日終電の時間まで働いて
それでもその後飲みに行く。
帰りは決まってタクシーで
それで仕事がはかどるなら、と上層部のタクシーチケットのチェックは甘い。
のちにバブルと呼ばれるその社会現象は
どう考えても狂っていて
終わりが分かっているかのように
皆が皆、日本中が良く仕事をしてよく遊んだ。
そして、全く白石に会えないまま再び花金が来て
当たり前のように加賀と新山下までタクシーに乗りこむ。
先週のこの時間に白石に会ったんだっけ。
そんな未練がましい感情を払拭したくて
先週と同じようにコロナビールにライムを押し込んで
あ、っと思い出したように加賀に言った。
「そういえばさ、加賀。総務に可愛い子がいるって言ってたよな?」
「ああ、白石ちゃん?」
白石ちゃん?
なんだその呼び方・・・