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愛しい記憶
第9章 初恋(回顧)
「友也の姉ちゃん、めちゃくちゃ美人だよなぁ…」
全校集会。
みんなの前でハキハキと話す姉ちゃんを見ながら、俺の後ろの奴がそう耳打ちした。
「……そうかな…」
「美人じゃん…。超モテるって聞いたけど」
「……へぇ…」
完璧な姉に向けられる羨望の眼差し。
それが誇らしくもあり、うざったくもあった。
生徒会長として、話を終えた姉ちゃんは、大勢いる中から俺のことを見つけ出して、微笑む。
それに胸を高鳴らせている自分に嫌気が差して、慌てて目を反らした。