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愛しい記憶
第10章 愛堕(回顧)
「大丈夫……」
頭を抱えていたらフワリと、シャンプーの香りが鼻を掠めて、身体が後ろによろけた。
「友也が異常なら……」
触れたいと強く強く願ったその身体で、きつく抱き締められ、耳元で姉ちゃんが囁く。
「わたしも異常だから…────」
その言葉に目を見開いて、俺はそのままベッドに倒れ込んだ。
ギュッと引き結ばれた唇。
電気に被っているせいで表情が暗くて見にくいけれど、しっかりと口元のホクロが見えた。
「友也………」
「─────……」
「好きだよ……」