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愛しい記憶
第11章 穢れ(回顧)
姉弟に生まれていなかったら、俺は姉ちゃんのことを愛さなかっただろうか…───
1人の女と1人の男としてもし出会っていたら…
そんな考えが浮かんでは消える。
想像がつかない。
姉ちゃんの弟であることは、俺の重要な要素でアイデンティティーだ。
それを排除することはどうしても出来ないし、したくない───
人を好きになれば皆決まって「どんなところが好きなのか」と問うけれど、
俺のこの気持ちには理由がない…
ただひたすらに愛だけがこみ上げている。
それだけのことなのに、それがこの世で許されないのは何故なのだろうか───