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愛しい記憶
第11章 穢れ(回顧)
「分かんない」
「…………」
「分かんないけど…私は何があっても友也のそばにいるから」
開いた手の平。
そして、同じようにぎこちなく姉ちゃんの手を開いて指を絡ませる。
「姉ちゃん………」
同じように不安で仕方がないはずなのに、微笑んで俺を安心させようとしているのは、やはり姉ちゃんが“姉ちゃん”だからなんだろう。
「私ね…」
しばらく続いた沈黙の中、再び姉ちゃんが口を開いた。
「古代エジプトに生まれてたらって、考えるの…」
「古代エジプト……?」