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愛しい記憶
第11章 穢れ(回顧)


パニックになっている母さんは、息を切らしている。



「違うの………っ」



涙を流しながら、姉ちゃんは小さな声で訴えている。



「だから何が違うの!!!!眞美!!!!」



泣き崩れる姉ちゃんに駆け寄ろうとする俺を母さんが阻む。


こんなにも早く恐れていたことが起きるなんて…




「なんておぞましいのっ……」



ワナワナと震えた母さんから放たれた言葉に身動きが取れなくなった。



どんなに幸せでも、それは俺と姉ちゃんだけの世界の話。



外から見れば、この関係は……





「穢らわしいっ……」




おぞましくて



穢らわしい



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