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愛しい記憶
第4章 キャンパスライフ
「久々だなぁ。入学式ぶり?」
授業に行こうと思って、キャンパス内の地図を凝視していると、見覚えのある奴が声を掛けてきた。
パーマをあてた、少しチャラチャラした雰囲気。
「あー…っと…」
「悠人(ゆうと)だよ悠人」
「あー…」
確か同じ学部だったような。
入学式に話し掛けてきた、そんな断片の記憶だけが蘇っては消えた。
「風邪引いてた」
「そうなんだ。てっきり授業とか、そういうのは来ない奴なのかと思ってた」
「………そんなことねぇよ」
バレないように、何の気なしに悠人と同じ方向へ向かう。
次の授業は必修のはず。
だから、彼についていけばきっと教室に辿り着ける。