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愛しい記憶
第4章 キャンパスライフ
授業中。
まだ始まったばかりだからか、周りのみんなが教授の言うことを懸命にノートに書いている。
そんな中、俺はぼんやりと手に持っていた資料集をパラパラとめくった。
ページから巻き起こった風が前髪を揺らす。
つまらない。
楓は俺を追い掛けて、この大学に入ったというが、そもそも何故俺はこの大学を選んだのだろうか。
後ろからめくったページ。
どんどんと時代が遡っていってあるページで自然と手が止まった。
壮大な3つのピラミッド。
黒々とした王(ファラオ)の像が恐ろしく感じるのは、瞳が描かれていないからだろうか。
未だなお解明されていない様々な謎。
何故こんなにも魅了されるのか……
それが分からないまま、「古代エジプト」のページの聖刻文字(ヒエログリフ)を指でなぞる。