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愛しい記憶
第4章 キャンパスライフ
「楓ちゃんには絶対バレないようにすっからっ…」
「…………」
チラと、楓の方に視線を移した。
話が尽きないのか、まだ友だちと集まって笑顔を見せている。
悲しませたくない、とかそういう感情が湧いてこない。
そんな薄情な自分に嫌気がさして、小さく溜め息をついた。
もっとも、名前も思い出せないまま、興味本位で体だけ求めたのだから、すでに薄情どころでは済まないのかもしれない。
「俺いても、盛り上がんないよ」
「いや!そんなことない!いてくれるだけで女の子は喜ぶ!」
「…どういうことだよ…」
「頼むってまじでっ!」
「…………二次会とかと行きたくねぇし」
全然いい全然いい!!と声を荒げた悠人は、自分の声のボリュームに自分でハッとして頭を掻いた。
行くくらいなら、別に…
それに、よく知りもしない土地で出来た初めての友人だ。
邪険にするのも良くないと思って、渋々分かった…と返事をしたら、うっしゃー!と再び悠人が声を上げた。