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愛しい記憶
第4章 キャンパスライフ
心配そうに顔を覗き込まれて、思わず開いていた資料集を閉じた。
「楓……」
「もぉ……何度も呼んだのに…」
ムッとむくれた彼女の周りで、みんながノートや教科書をカバンに詰め込んでいる。
授業…終わったのか?
いつの間に…
「友也、今日、夜空いてる…?」
「今日……は…」
ゆっくりと隣に顔を向けると、固唾の飲んで俺らの会話を見守っている悠人がいた。
「……なんか……あるの?」
「あぁ……」
そっか…と肩を落とす楓。
落ち込む彼女の姿を見てもなお、罪悪感は芽生えない。
付き合っているのだとしたら、本当に自分はひどい彼氏だと思う。