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愛しい記憶
第6章 水
気付いたら、大学前のバス停に着いて、プシューと音を立てて扉が開いた。
我に返って、バスを降りる。
今のは、何だったんだろうか…
グラッと身体が揺れて、頭を抑えた。
「友也……」
わらわらと、学生が歩く中で、マミが俺の顔を覗く。
「……大丈夫?」
「寝不足…かも」
「そっか…」
細い腕をまるで繫ぎ止めるかのように掴む。
その存在はあまりにも不安定だ。
「友也!何してんの?」
バンっと背中を叩かれて、よろけた俺は体勢を立て直して声のする方に向き直った。