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愛しい記憶
第8章 記憶
───────うっせぇなっ…触んな!
歪んだマミの顔。
ひっくり返ったやかん。
────────きゃっ……
白くて細い腕に降りかかった熱湯…
「友也……」
突然蘇った断片的な記憶。
そこからマミの声によって現実に戻った俺は息を荒げたままマミの腕を掴んだ。
少し俯いているせいで、斜めがかった前髪がパサりと落ちて、マミの片目を隠す。
掴んだ腕を少しだけひねると、現れる拳大の黒ずみ────…
「これはっ……」
────────友也のせいじゃないから…
「……友也のせいじゃないよ」