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穢れた白百合
第2章 第一話
東堂綾の身体はこれまで男の目を悦ばせて来なかったことが惜しまれる逸品だった。

細く脆そうな素肌に肩につく凛とした黒髪がよく映える。

決して豊満ではないが柔らかな輪郭を描いた先の桃色は、その意と反して主張していた。

しかし殊更に俺を楽しませたのは、その表情かもしれない。

嫌悪を剥き出しにして無言の反抗をする気概。

そしてその裏に隠された、本人さえ気づいていないであろう処女の恥じらいが見え隠れする。

今も、胸の蕾を転がすたびに、俺への反抗を言い訳にして目をそらし、快楽を感じまいとする。

しかし突然に首筋を舌で撫で上げると、肩を震わせて思わず開いた口から掠れた息のような声をもらした。


「はやく諦めた方が楽だと思うが」


提案に見せかけた戯れに、綾はかえって反抗を見せつけるかのように唇を結んだ。

...面白い。

そのままベッドに倒れこませると、わずかに体が強張ったのがわかった。


俺は張り詰めた神経を擽るように、しかし肝心な部分には触れないよう、滑らかな素肌に指を這わせる。

平静を装っても、足は体の芯が疼くとでも言うようにもじもじと動いてしまっている。


唯一彼女の体を隠している下着をゆっくりと下ろすと、つうと銀糸が引かれた。
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