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この前、人を拾いました
第25章 ③―5 祝賀パーティー
「何があったのだか、私には分かりませんが…
人前ですのでどうぞ頭をお上げください。」
総一坊っちゃんはそう言って、白石社長に手を差し伸べた。
すると、レイは私を優しく離して微笑むと、白石社長の方に向き直った。
「ひぃっ!お許しくださいませ!」
総一坊っちゃんの手を借りて何とか立ち上がった白石社長は再びレイが動き出したのを見て、完全にびびった様子で腰を抜かした。
そんな白石社長に容赦なく近付くレイ。
今度は何を…
ドキドキと会場全体に緊張の糸がはる。
しかし、レイは特に何かするでもなく、ただ白石社長の耳元に近付いて何かを呟いた。
白石社長は涙目でその言葉をきくと、しきりに頭を縦に振っている。
な、なにごと…!?
不思議に思っていると、レイはクルッと私の方を向くと満足そうにして私のもとに帰ってくる。
みんなを釘付けにするほどの日本人離れした容姿に
スラッと伸びた長い手足
その姿は同じ人間なのだろうかと疑わずにはいられない。