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この前、人を拾いました
第26章 ③―6 崇めろ!!
「うぎゃぁあ」
車が動き出す反動で倒れた私をレイがすかさずキャッチした。
「なんで逃げるんだ!!!僕はりかちゃんを救った救世主だぞ!!!逃げる暇があったら崇めるがいい!!ハハハハハハっ!!!!」
あ、崇めるって……
「そ、それには感謝してるけど…」
「けどぉぉ?」
グッと顔を近付けるレイにまた心臓が少し早く波打つ。
「ま、ま、まさか、レイが………っ
さっ西園寺財閥の御曹司だなんてっ……」
「あのどうしようもないスケベ兄貴がぁぁ!!!!!」
いや、おい!!!
私の話を聞け!!!
てか兄貴って…
あ、そっか、総一坊っちゃんはレイのお兄さんなのか…!
「総一坊っちゃんがどうかし…」
「軽々しくあきちゃんに触りやがって!!!!!
しえちゃんもどうしようもない野郎を見つめているからいけないんだぁあ!」
………
なんていうか、そんな短時間で私の名前がコロコロ変わっちゃうことにびっくり。
唖然としているとレイが勢いよく私をシート押し倒し覆い被さってきた。
しまった…!
自由を奪われた…!
「レイ!あの!ちょっと…!おちつ…んん!」
私の説得も虚しく強く唇を塞がれた。