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この前、人を拾いました
第30章 ④―1 イチゴノイローゼと襲撃
「ですから、名前を言って頂かないと……。」
「だから覚えてないって言ってるでしょ!?まいとかゆみとかそんな名前よ!!!!」
部署の入り口の方でとても甲高い女の声が響いている。
どうしたんだとみんな不思議そうに仕事の手をとめて見ている。
うわっ
何なのあのごてごてな感じ……
とても長い髪の毛はクルクルとカールしている。
まるでドレスのようなきらびやかな服装はとんでもなく高そうだ。
「誰か探してるみたいね。」
隣で百合子先輩も食い入るように見ている。
「出来れば下の名前ではなくて、苗字が分かると、探しやすいのですが…」
多分たまたま通りかかって捕まってしまったのだろう部署の人間が、腰を低くしている。
でもますますその女は機嫌を悪くして騒いでいるようだった。