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この前、人を拾いました
第31章 ④―2 許嫁というご身分
「レイッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
今までで一番近所迷惑な声で私が叫ぶと、レイが私の方を向いた。
こいつ、
本当、
どうしてくれようか
私の怒りなんか全くレイは気にすることなく目を輝かせると、私の方へ向かって走り出してきた。
「あいちゃぁぁん!!」
大きく手を広げて私を捕らえようとするレイの軌道からギリギリで身体を反らすと、再びレイは壁に激突して頭を抱えた。
「一生そこでうずくまってなさい!!」
レイにそう叫び、九条院さんの方に向き直ると、九条院さんも瀧山さんも目を丸くして立ち尽くしていた。
「うぅぅう………ドメスティック……バイオレンス……」
背後から虫の声がして再び私は眺める。
本当に
信じられない……。
「あの……礼二さま……?」
しばらく言葉を失っていた九条院さんが思い出したように声を出す。
「ん?なんだ?君は誰だ?」
涙目になりながら、また驚異の回復力でレイが立ち上がる。
誰って……
自分の許嫁を……
と思いながら少し優越感に浸る。(いや、自分だってたまにしか本当の名前呼んでもらえないけど)