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この前、人を拾いました
第31章 ④―2 許嫁というご身分
「い、許嫁の、九条院麗子です…」
恐る恐る言葉を発する九条院さんに、またもやレイは顔を近付けジッと見つめる。
少しだけほほを紅くする九条院さんにモヤモヤとする。
「いやだ」
しばらく沈黙続いたあとにレイが呟いた。
「いやだって…?な、なにがですの?」
「君とは結婚しない!」
慌てる麗子さんに叫ぶレイ。
えっ
はっきりというレイに勝手に嬉しくて舞い上がる私。
あのレイがちゃんと断ってくれるなんて。
「そっ…そんな!私は許嫁ですよ!それともなんですか?!そこにいる庶民と結婚するとかおっしゃるのですか!?」
えっっ!?
ちょっとまって…
いやだ、そんな九条院さんたら…
そんな風にレイに言ったら私、プロポーズされちゃうじゃない……
わ、わ、私まだ結婚とか、そういうのは…
顔を紅くしてもじもじとしている私をレイは一瞥もせずに
「漫才!」
と叫んだ。
ま、まんざい…………?