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この前、人を拾いました
第31章 ④―2 許嫁というご身分
ふぅぅんと間抜けな声を出すレイに、九条院さんがハッとして我に返っている。
「よ、よくおっしゃっている意味が分かりませんけど、そんなことでこの結婚が破談にはなりませんわ!わたくし、今日は気分がわるいのでこれで失礼致します!
瀧山!!」
ヒステリーに九条院さんが叫ぶと、瀧山さんは再び深々と私とレイに頭を下げて、家を出ていった。
ガチャと扉が閉まるのを眺めながら、
「やっかいだ」とレイが呟く。
い、いやいや、あんたの方が何倍もやっかいですよぉぉ!!!!!!
そんな私の心の中の叫びが聞こえたのか、クルッと振り返ってニコッと私に微笑みかけるレイ。
あぁ、かっこいい……
って違う違う!
騙されるな!
「ね、ねぇ。九条院さんとの結婚断る理由って…本当に夫婦漫才みたいだからって…ただそれだけ……!?」
……って私なに聞いてんだろ、