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この前、人を拾いました
第37章 ④―8 心変わりは突然に
ひとしきり一人で笑ったあと、レイはまだ涙の乾いていない私を見た。
「さぁ!終わりだ!帰るぞ!!りかちゃん!おお??泣いているのか??そんな暇はない!!!!」
泣いているのかって……あんたが泣かせたんじゃない…!!!!
そう私が反論しようとする余地なくレイは私の腕を引っ張り、扉をすごい勢いで開ける。
「神のお帰りだぁあ!ハハハハハハハハハ!!!!」
あなた、いつの間に神になったの……
グイグイグイグイと引っ張られ、あっという間に門の前に止まるリムジンに再び無理矢理突っ込まれる。
「いたいってば!!!」
この冷凍マグロのような扱いに毎度のことながら、腹がたつ。
「お待ちください!!!」
私のあとに続いてレイがリムジンに乗り込もうとしたとき、門から麗子さんが走って出てきた。
「あの…どうして、私の気持ちが…」
レイは深々と頭を下げる麗子さんをみてフッとすまして笑った。
「────私を誰だと思っているんですか?」
「っ………だっ誰って…西園寺れ…」
「あぁぁあ!フルネームでいうな!!!!!」
また自分が言わせておいて麗子さんを止めるレイ。