この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この前、人を拾いました
第38章 ④―8.5 「ずっと前から、お嬢様にお仕えしております」
なのに、
気付いたら、もう、“執事だから” という域を超えて彼女のことばかり考えるようになってしまっていた。
一緒に同じ場所、同じ時間を過ごしていくうちに
日に日に美しくなる麗子様の姿が夜も頭から離れない。
「今日はもういいわ。下がって…」
「──かしこまりました、おやすみなさいませ。」
そういって、私が下がろうとすると、とても小さな声でいつも「ありがとう」と呟く彼女。
わがままで
強情で
素直じゃなくて……
だけども
とても寂しがり屋で
かわいらしい──…
私は、執事としてあるまじき事態に陥っていた。
そう
私はお嬢様に恋をした───