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この前、人を拾いました
第38章 ④―8.5 「ずっと前から、お嬢様にお仕えしております」
頬に涙が流れるのを感じた。
情けない。
執事でありながら、主人の幸せすらも喜べないなんて…。
「ご覧なさい!あなたが想っている人もまた、あなたを想っているのだ!!!!!」
突然礼二様の叫び声がした。
え………?
「瀧山………?」
そして聞こえる、愛しい人の声。
そこにはさっきまで私に背を向けていた麗子様が驚いた表情で、私を見つめていた。
一体……
何がどうなっているのだろうか。
訳も分からずに私は流れる涙を拭った。