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この前、人を拾いました
第49章 ⑤―9 昔。そして今。
「"兄"というものは本当に愚かでどうしようもない生き物だが、あいつはいい働きだったと僕は思うゾっ!ハハハハハハハハハっ!」
兄………?
あぁ、あいつって私のお兄ちゃんのこと?
「あーもう訳分かんない!!!!!」
話があちこちにとんで要領を得ないレイの発言にだんだんとイライラする。
「さきちゃんはかわいいからな、あいつがあぁでもしなきゃ、きっとたくさんの虫けらどもに群がられていたぞっ!」
そう言ってレイは私を強く抱き締めた。
ああでもしなきゃ?
たくさんの虫けら?
「ちょっと!レイ!苦しいって!」
私がそういうとレイは私をベッドに放り投げて、私の両手を掴み、私の頭の上に持っていった。
「は、はなしてよ!!」
身体を動かして何とか離れようとするが、腰に跨がれて身動きがとれない。
そしてそのまま、レイは私に顔を近付けた。
「もし、今誰かが『みきちゃんのことが好き』なんて、ほざいたら僕も"あいつと同じように"そいつらを殴って回るね。」
「えっ?んん……」
そのまま、レイは私にキスをした。