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この前、人を拾いました
第55章 ⑥―5 10th Birthday
それから、礼二は私や父のことを見て何度か、「お母様……」と呟いた。
訳が分からず、父と私は困惑した。
きっと、幻覚か何かを見てるのだろう。
ちゃんと静養すればよくなる。
そう思っていたある日、父と私はいつものように礼二の見舞いに行った。
「気分はどうだ?礼二。」
「もう良くなってます!早く遊びたい…!」
身体に繋がれていたチューブもいつの間にか少なくなり、礼二はだんだんと笑顔を見せるようになっていた。
「ハッハッハッハッ、もう遊ぶことなんかを考えているのかっ!大分良さそうだな、安心したぞ。」
父もそんな礼二の回復を見て、とても気分が良さそうだった。