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この前、人を拾いました
第55章 ⑥―5 10th Birthday

それから、礼二には何かが"視えている"ことがだんだんと分かった。




そして、それが人がみた過去らしいことも……。




そのまま病院で年越しをし、しばらくして礼二は退院した。




父は、結局祝うことが出来なかった礼二の10歳の誕生日を後れ馳せながらやろうと言い出した。





しかし礼二は「やめてください!!」と、驚くほどの剣幕で怒りだした。






母が自分を生んで死んだことを聞き、ショックで訳も分からず幽霊のように道路に飛び出し事故にあった。





そして、目覚めたら、人の過去が視えるようになっていた──





礼二は父の記憶から、母の姿を視て…



そして、家の全ての人間が、母が息を引き取った姿を視て…



……それを悲しんでいる人々の姿を視てしまったのだ。









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