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この前、人を拾いました
第56章 ⑥―6 それでもやっぱり
「みきさんて、なんかよく分かんないけど、モテますね」
エレベーターに乗りながら、若村さんが言った。
!?!?
よく分かんないけどってなによ!!
「なんか隙があるからでしょうね……かわいらしくて愛さずにはいられないってやつですか。」
「はっ!?えっ?若村さんそれ褒めてます?けなしてますか?」
チーンとエレベーターが開いて、若村さんは、さぁ?といいながら降りていった。
失礼だなぁ………
ていうか…私も昔は漫画みたいにイケメン二人に取り合いされたらなぁ、なんて思ってたけど(兄の陰の根回しせいでモテなかった)、実際なってみたら全然嬉しくないんだけど!?
あの二人が強引すぎるんだよな………
「さぁ、みきさん、今そんな険しい顔してどうするんですか?ここからですよ、大変なのは。」
「え?」
どゆこと…??
「あぁ……その顔は、全く考えてないって顔ですね…」
そして若村さんは溜め息をつく。
なんか、若村さんに溜め息つかれてばっかりな気がする……
「あの…どういうことですか?」
恐る恐る尋ねると、若村さんは目をカッと開いた。
「どういうことって、礼二先輩の誕生日まであと2日もあるんですよ!?」
「え……?」
なに?2日"しか" じゃないの??
頭にいっぱいハテナを浮かべて首を傾げると、若村さんはまたまた溜め息をついた。