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この前、人を拾いました
第56章 ⑥―6 それでもやっぱり
「いつまで?」
ギュッと私の腕を掴んで私に問い掛ける。
「2日間かな…ご飯は冷蔵庫に作りおきしてあるから、レンジでチンして食べて?じゃあ。」
バレるのではと内心ヒヤヒヤとしながら、私はレイの腕をふりきった。
けど、ふり切るどころか、後ろから引っ張られて、気付いたら、ギュッと抱き締められていた。
「いやだ」
小さな声でレイが呟く。
いやだって…っ
「ごめんね。し、仕事だから。」
「なんで………目を見てくれないんだ」
抱き締める力を弱めながら私の顔を覗きこもうとするレイに身体がドキッとした。
「い、急いでるから。じゃあ」
必死に目を合わせないようにすると、脇に落ちた荷物を拾って私は小走りでアパートをあとにした。
後ろからレイの声は聞こえなかった。