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この前、人を拾いました
第56章 ⑥―6 それでもやっぱり
「いや、私も本人にちゃんと聞いた訳じゃないんで、よく分からないんですけど…。人が昔見たものが、レイには視えるらしくて…」
本当に本当に迷惑な能力である。
「えっ!?なにそれ!!!超能力!?」
百合子先輩はえらく興味を示したようで身を乗り出してきた。
「超能力……うん……まぁそうなんですかねぇ」
すごぉい……と百合子先輩はポツリと呟いて固まった。
確かに最近それが当たり前になってたけど、よく考えたら本当に不思議っていうか何て言うか…
「ねぇねぇ、それってどんな風に見えるわけ??」
目を輝かせる百合子先輩。
どうって……
「レイじゃないから、分からないですけど…。その人が見たものが映像みたいに視えるんじゃないでしょうか…。今までの感じだと、音は聞こえないみたいです。」
「へぇえ……おもしろい…」
そういいながら、百合子先輩はコップに入ったビールに口をつけた。
おもしろいって…絶対おもしろくないんだけど……。
「で?それが、うちに泊まる理由となんか関係あるの?」
「あ、いや、だから…サプライズパーティーにしたいんですけど、準備段階で会うと記憶視られてバレちゃうじゃないですか?」
「あぁあなるほどぉ!!へぇ…大変じゃない…!」
そうなんです……
大変なんです!