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この前、人を拾いました
第57章 ⑥―7 26th Birthday
「えっと…れっ…レイ!!!!誕生日、おめでとう!!!!」
背を向けるレイに向かって、私は手に持ったケーキを掲げながら叫んだ。
そして、レイはゆっくりと私の方に顔を向けた。
ドキッ──
私は、この前と同じ怒りに満ちたレイの目をみて、身体が凍りそうになった。
「……僕はこんなこと、頼んでない」
低い声で、レイは呟くと、再びレイは私に背を向けた。
その背中がとても見ていて寂しそうだった。
「レイ……私、レイのために一生懸命用意したの」
「…………」
「あ、ご飯、まだ並んでなくてごめんね?」
言葉が、返ってこない。
でも同じように、黙っている訳にはいかなくて、私は必死に言葉を探す。
「……ハハハ…。まさか、こんなにレイの帰りが早いと思わな──」
「だから頼んでないって言ってるだろう!!!!!!!!」