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この前、人を拾いました
第57章 ⑥―7 26th Birthday
「あっ…!」
叫びながら、勢いよく振り返ったレイの腕が私にぶつかって、その弾みで私の手からケーキが滑り落ちていった。
べちゃっ
逆さまに落ちていったケーキは形を崩して床に生クリームをいっぱいに広げた。
レイはそのケーキを見て少し驚いたようにすると、ちっと舌打ちをしてまた私に背を向けたまま黙ってしまった。
まだしっかりと貼り付けることができなかった"Happy Birthday"の幕が、片方だけ下がって今にも落ちそうにぶらぶらしていた。