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この前、人を拾いました
第57章 ⑥―7 26th Birthday
「レイ…」
その大きな背中に私はゆっくりと手を伸ばした。
「僕は…誕生日は嫌いなんだっ!」
伸ばした手を止めた。
「……祝ってもらいたいだなんて思ってない!!ほっておいてくれ!!」
いつにない剣幕で怒鳴り出したレイ。
甘く見ていた──…
レイが負っている心の傷は、私が思っている以上のものなんだ。
きっとレイなら、
私が一生懸命用意して、
おめでとうっていって、
一緒にケーキを食べて…
そしたらきっと…
『ありがとう』って。
『誕生日っていいね』って。
いつもみたいな笑顔で言ってくれるはず
誕生日の楽しさをまた思い出してくれるはず
って
勝手にそう思ってた。