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この前、人を拾いました
第72章 ⑧ー3 金髪レディーにご注意下さいっ!?
私と挨拶を終えた彼女は、少し戸惑いながら、レイの顔をみた。
ハハハハと笑ったレイは、ジェスチャーから読み取るに、大丈夫大丈夫と言って、また金髪レディーと話し込んでしまった。
「…ねぇ…レイ…?」
あら、見事なまでの無視。
ここに私がいるの、忘れてない…?
「ちょっと…?ねぇ…レイぃ〜レイってばぁっ…」
何なのよっ…!
なんでこんなオーストラリアまで来て、この人に無視されなきゃいけないのっ…!
虚しくなった私は、目を細めて二人を見た。
……あ〜なんだろ…この敗北感…
悔しいけど…お似合いっていうかなんていうか…
レイの隣には、ああいう人の方が…似合うよなぁ…
って何私弱気になってるのっ…?
いつもいつもあの人の変人に苦しんでるのは私な訳でっ…こんな事で嫉妬するだなんて、本当に本当の負け組じゃんっ!!!
そう言い聞かせるけど、やっぱり、楽しそうに話す二人にモヤモヤする気持ちはごまかせない。
……私だって…やるときはやる…
自然の空気を肺一杯に吸い込んだ私は、地平線のはるか彼方を見た。