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第82章 ⑨ー４ 少女漫画のようにはいかない

ブンブンと頭を振って、本棚にあった漫画を手に取る。


こってこての少女漫画。


「懐かしい〜…」


分かっているお決まりの流れ。


なのに何度も同じ場面を読んで、キュンキュンして、いつか私も、と憧れて…。


若かったな…私…


あの時、こんなことが起こるなんて、予想しただろうか。



ある意味漫画みたいな展開だけど……


私が読んだ漫画の中に、レイみたいな奇人変人が出てくる話は無かったかなぁっ…。



もう、今日何度目か分からないため息を、自室にも落とす。


考えるのをやめようと思っても、考えてしまう自分に呆れる。



だめだこりゃ……


再び身体をベッドに身体を倒そうと思ったその時、トントントンと、階段を上がる足音が響いて、私はハッとした。


この足音が聞こえたら急いで読んでた漫画を隠して勉強してるフリしてたっけ…


そんな懐古中、コンコンとノックが響いた。




「……はい」


「……お父さんだ」


「………」


「入っても…いいか」


「……うん」


ぎこちない扉の開き方。



そこから私は視線をそらす。