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この前、人を拾いました
第12章 ②―1 彼が変わることはありません
「あらあら、お熱い事…」
その言葉で私は我に返った。
「ちょっと!!」
渾身の力で私はレイを吹っ飛ばす。
声のしたほうを見ると、隣の隣のおばさんが私と同じく買い物袋を持ってジロジロとみていた。
は、はずかしいぃいい!!!
「すみません……」
そういって私はマッハのスピードで下に落ちた買い物袋を拾い、部屋の中にはいった。
「はぁ……はぁ……」
恥ずかしすぎて顔から火がつきそうだった。
それこれも…
いたたたたといってうずくまるその人を睨んだ。
「いい加減にして!!!!」
そう叫ぶと、レイは顔を上げて、笑顔で私を見つめた。
「っ………」
茶色がかった瞳
透き通るような肌
人形のように整った顔
癖のある茶髪
くっ…くやしい!!!!
もう何ヶ月も一緒にいるというのに私はいまだにレイの容姿に目を奪われる。
はっ、いかんいかん。
「あんたは3歳児なの!?いい加減にしてよ!私、仕事してるのよ!レイのお母さんじゃないんだから!」
私は勢いよくそういうと、買い物袋を持ってキッチンまで行こうとした。