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第5章 ロゼリア王国

「サラ様の育てたバラは不思議です。

　あの淫欲な香りに血のように真っ赤な色合い、
　そしてなにより…魔を駆り立てるほどの味わい…」

怪しげに微笑むニックにサラは不安を覚える。

「ニック‥？」


ふわりとサラを下ろしたニックは
サラの頬を優しく撫であげた。

「サラ様のバラは私だけのものですよ。

　いいですね？」


真っ白な肌に青くビー玉のような瞳に見つめられ
サラは頬を赤らめた。



その時、ノック音と共に母であるメアリーが勢いよく入ってきた。