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飴色トライアングル【完結】
第9章 まるで迷路…抜け出せなくて
やっぱり
怪しかったかな!
「あのね由美、誤解しないで欲しいんだけど…さっきのは…」
「お姉ちゃん私…」
「妊娠したみたいなの」え!…
妊娠─
頭が真っ白になった。
由美が妊娠?─
「…そ、それ、ホントなの?」
「うん─たぶんね─私、遅れた事ないし…それに最近怠いし、やけに眠いんだよね…」
熱っぽくて
可笑しいと思ってたって!
それって、やっぱり─
「英昭、さんの…子供、って事だよね?」
「やだ!当たり前じゃない」
あ、!うん、そうだよね─ごめん
「ごめんね、お姉ちゃんより先にこんな事になって」
ブンブン
「そ、んなのは─いいんだけど」
ふぅ、落ち着かなきゃ。
「病院、には行ったの?」
「まだだけど、近いうちに行って来る」
そ、う─
「英昭さんには話したの?」
「クスッ…まだこれから」
「あ、でもお姉ちゃんは黙っててね。私から報告したいから」
「ウフッ、ビックリするだろうな英昭さん!喜んでくれるかな?……!?」
「ね!お姉ちゃん。─ちょっとお姉ちゃんったら」
え?なに!
「やだ聞いてなかったの?英昭さん喜んでくれるかな!?」
それは─
英昭は何て言うんだろう。
(俺達やり直さないか?)
あの時のヒデの言葉に嘘はないと思う。
けど、自分の子供が産まれるなら
やっぱり─喜ぶに決まってる!
「きっと、喜ぶよ」
「だよね♪フフッ」
付き合ってるんだから妊娠したって不思議じゃない
いつかはこんな日が来るかもって頭の隅にはあったけど─
やっぱりショックだし上手い言葉が出てこなくて…
〝おめでとう〟
その一言さえ言えなかった。