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飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて

「──」
「けど…由美が妊娠したなら…俺は由美と子供を守らなきゃいけない」

うん、それは─分かってる。

「だから──」

なに?
大丈夫─ちゃんと受け止めるから
言いたい事があるなら、言って。

「美緒も!──早く自分の幸せを掴めんで」
グッ……
コクン
コクコク、うん…そ、ぅだね。

由美を見習わなきゃ!
私も早くいい人見つけて…幸せな家庭を…

ポロポロ─グスッ
やだ!なんで涙が─
ここで私が泣いたらヒデを困らせる。
ダメ泣いちゃ

必死に涙を堪える
けど…溢れる涙が止まらないの。
ブンブン
しっかりしろ!美緒
泣いちゃダメよ
ヒデに心配掛けないように私は笑ってなきゃ。

涙を拭い無理やり涙を抑え込んだ。

「グスッ…アハハ、ヒデは、私の弟になるんだよね──私の事、お義姉さんて呼べる?…」
ギュッ!あっ!
突然、ヒデに抱きしめられた。

トントン、ヒデ、離して。
「お義姉さんにこんな事しちゃダメでしょ…ほら離して」

ギュッ〝んっぅ〟
離れようとするのにヒデの腕の力はますます強くなる。

「バカっ、義姉さんなんて呼べるか」
「…うっ、グスン」

「美緒──頼むから、絶対幸せになれよ!」

─コクコク
うん。
「美緒……ちゃん」
「……!?」

もういいよ分かったから。
呼び捨てから─ちゃん付けに変わった時点で理解した。

ヒデはいいパパになるって決めたんでしょ?
それを私に伝えるために会いに来てくれたんだね。

「ご、めん…美緒を苦しめた分、俺が幸せにしてやらなきゃいけないのに」
ヒデの掠れた声に胸が痛くなる。

ブンブン

もういいよ…気にしないで…

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