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飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて
──//
「入って」
「う、うん」
部屋に入ると真っ先に目がいくのは…
コルクボード。
「──!」
戻したんだ。
そこには外したはずの由美の写真が貼られていた。
それは当然なんだけど…やっぱり寂しくなった!
「美緒、あの…ごめん由美が来た時に…」
え、あ、ううん。
当然の事だけど…由美が来たんだね!
「…ヒデが謝る事ないよ」
あ!…
もう私が馴れしい呼び方をしたらダメだよね、これから義理の姉弟として付き合っていかなきゃいけないんだから。
「美緒、あの、由美が…」
「!?…あ、うん聞いた、おめでとう、英昭さんパパになるんだってね!」
「やめろよそんな言い、ヒデって呼んでくれよ」
寂しそうに俯くヒデに胸がつまる。
──じゃ、今だけね…
おめでたい事だもの
私は明るく元気でいなきゃ!
「フフッ、じゃヒデ…パパになるってどんな気分?嬉しい?」
「……」
こんな事、聞きたいわけじゃないけど
「私もとうとう叔母さんか~!どっちだろうね、ヒデは男の子と女の子どっちが欲しい?」
「……」
ヒデは黙ったまま。
「あ、育てやすいのは女の子って言うけど、どうだろうね?─私はお兄ちゃんが欲しかったから男の子もいいよね?」
「……」
沈黙になるのが堪えられなくて
一生懸命喋るのに…ヒデはずっと黙ってる。
何か喋ってよ!
「ぁ、そんなの、どっ、ちでもいいか…アハハ」
余計なお世話だった。
「俺─この前」─え?
急に喋り出すからドキッとする。
なに?
「美緒に言ったこと嘘じゃないから!」
この前…
「俺は美緒の事が今でも好きだし、やり直したい気持ちもホントだから…」