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飴色トライアングル【完結】
第1章 なんで今頃私の前に現れるの?
あんな言い方して、みっともなかった!
由美の言う通りただのヤキモチだもん。
電話を切ってから凄い自己嫌悪。
今日は、何をやっても上手くいかない日
どうしたら平常心でいられるんだろう?
何もする気が起きずにただボンヤリするだけ…
どれくらい経ったのか─
ガチャン─
ん─え、由美?──
玄関で鍵を開ける音がした。
急いで玄関まで行くと…
良かった帰って来てくれた!
「お帰り由美」
「……」
「由美ほらっ、ただいまだろ?」え?
由美の後ろにヒデがいる。
送って来てくれたんだ!
何も言わない由美を諭してくれたけど─
ドンッ。「あ!」
由美は見るからに不機嫌。
私の身体を押したくり荒々しく部屋に入っていった。
バタンッ!
「おい由美!」
いいよもう…
私が帰って来いって言ったから
由美は気に入らないんだよ。
「ごめん、俺が─ぁ」 ─ん?なに!
「…すみません、俺が遅くまで連れ回したから…」
「……」
わざわざ言い直さなくても─
しかも敬語まで使って
それだけヒデは私との距離を縮めないようにしてるんだね。
「……あ、いえ…ありがとう…ございます」
「…じゃあ俺、帰ります」
素っ気ないヒデの態度に寂しさが募る。
ダメ泣いちゃ!
溢れそうな涙を堪えて俯いた。
「……!?」
ん?
玄関は閉まる気配もなく開いたまま
不思議に思って顔を上げると─
ヒデがドアに手を掛けたままじっと私を見つめていた。
へ!?─
あ、やだ─グスッ
泣き顔を見られた。
慌てて涙を拭った私は
ヒデの手を払いドアを強引に閉めた!
バタン──