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飴色トライアングル【完結】
第1章 なんで今頃私の前に現れるの?
.:*:・:*:
〝─ン、ンン…ヤダ、ヤメテ─〟

〝ヤダ、オネガイ─ヤメテ……ヒデ、タスケテ…〟

「やめてぇ!」ハッ!─ハァハァ、グスッ

……夢!?──
嫌な夢で飛び起きた。

なんで…グスッ─

ここ最近は魘される事も無くなって安心してたのに

また思い出したくない記憶が蘇ってきた!

ハァハァ、もう、やだっ!



♪ヴゥゥゥゥ─キャッ!

え?─その時─突然携帯の画面が光った。
電話?──誰─

あっ!ピッ
「お姉ちゃん?」

「…由、美なの?」

着信は妹からだった。
なんで、どこから掛けてるの?

頭がボーッとして夢と現実の境が分からなくなった。

えっと、あ、そうだ!
由美達と食事してその後…
私は1人で先に帰って来たけど

由美はまだ帰ってなかったって事?


「由美どこにいるの?」
「今ね、英昭さんのマンションの近くなの」
ズキッ、え?

「今日英昭さんのとこに泊まるから心配しないで」

泊まる?─ヒデのとこに。

ちょ、ちょっと、ダメだよ帰って来て
いくら付き合ってるからって─泊まるなんて

「由美何言ってるの、ダメ帰って来て」

「え~ムリ、もう電車ないし」

そんなの…
タクシーだってあるでしょ!

「由美帰って来て」
「なんでよ~!…あ、もしかしてお姉ちゃん、ヤキモチ焼いてるとか?」

そうじゃないけど─

「堅いこと言わないで、ねっ、いいでしょ?」

由美はもう泊まるつもりで私の言葉なんて聞こうとしない

「─もう勝手にすればいい」ピッ。

勢いに任せて電話を切った…


確かに…ヤキモチだね!

由美の言葉に何も言い返せなかった。


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