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飴色トライアングル【完結】
第14章 青春プレイバック

「日本海の方にさ」─ん?
あ、なに?
ヒデの想い出話が楽しくて身を乗り出した。

「海が見えるコテージがあって大学の友達とよく行ったんだよ、昼間は海で遊んで夜はコテージでバーベキューしてさ……」

へ~いいな、楽しそう。
それで?

「みんな酒が入ると大騒ぎでさ、知らないうちにカップルで抜け出すやつがいたりして…で、他のみんなでそいつらを探しに出たりして」

「2人で抜け出して何するのか現場を抑えてやろうぜってさ─」

…え、やだそんなことして
変な事してたらどうするの?
聞いてる私が恥ずかしくなる!

──でも、大学の頃ならそれが普通なのかも…

私の周りでもみんな盛り上がってたし
私はとにかく外に出たくなかったから
そんな経験なかったけど…

ヒデの学生時代のエピソードを聞いてちょっぴり切なくなった。

だって…当然だけどヒデの大学時代の楽しい思い出の中に私は居ないんだもの。

私もヒデと一緒に行きたかったな…なんて

「美緒はそういうのない?」

え、私は…残念ながらないな
キャンプに誘われた事はあるけど
行く気になれなかったから

「ないよ、全部断っちゃってたし」
「なんで行かなかったの?楽しいのに」

うん、そうだよね
ヒデの話を聞いたら行けば良かったかなって思う

「昔はアウトドア好きだっただろ?なんで?」

うん─昔はそうだったけど

「…男の人がいると、なんか怖くて」
その時は、男の人が居るってだけで嫌な記憶が頭に浮かんで怖くて堪らなかったから


「そんな事言ってたら……あ、…」
私の返事を聞いてヒデの手が止まった。

顔をじっと眺めてる。

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