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飴色トライアングル【完結】
第14章 青春プレイバック
「そっか、美緒ごめん俺…」
「あ、やだ、なんで謝るの?昔の事だから…今はもう大丈夫だし」
その時は、まだ襲われた時の記憶が鮮明でトラウマから抜け出せてなかったから─
でも今は、全然平気だよ。
バカだな私
なんで正直に答えちゃったんだろ。
適当に誤魔化せば良かったのに
ヒデに気を使わせたみたい。
心配そうな顔して私に近付いてくる!
無言のまま私はヒデに抱き寄せられた。
ギュッ
「美緒はこれから俺と一緒に、楽しい思い出をいっぱい作るんだからな」
「……」
「嫌な事や辛い事を思い出したら全部俺にぶつけていいんだぞ」
「俺に遠慮しないで言いたい事は言って」
…グスン
やだ、そんな事言わないでよ。
泣きそうになっちゃう
ありがとう!
目頭が熱くる。
涙が溢れそうたけど…私、もう泣かないよ。
今はヒデとこうして一緒にいられるんだから
もう泣かない!
「今、俺が美緒にしてあげられる事ある?」
今?
「ヒデ?…私─」ん?
「もっと、お肉食べたいから焼いて」は?
クスッ─グスッ
真面目に返すと泣きそうだから、ふざけたけど
もう本当に大丈夫だから。
ヒデは呆気に取られて言葉が出なかったみたい。
固まっちゃった!
「よ、よ~し、分かった!じゃんじゃん焼くから全部食えよ、いいか美緒…絶対残すなよ」
え、ちょっと待って。
いくらなんでも全部なんて無理だよ!
「食べたいんだろ?言ったよな、ちゃんと食えよ」
あ~ごめんなさい、そんなにいらないから!
「私が焼くからヒデが食べて」
「あ、こら返せ」
「私が焼くから…あっ!ちょっとヒデ離して」
2人でトングの取り合いになった。