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飴色トライアングル【完結】
第15章 嬉しさと不安と…
「ヒデがおっきな声出すから」
びっくりしてわけが分からなくなったんだよ。
溺れるとこだった…
「怖かったんだから」
「フッ、ごめん。でも大丈夫だよ、ライフジャケット着てるし」
え?─そ、そうだけど!
急に海に落ちたんだからそんなの思い出すわけないでしょ。ムッ
「クスッ─ごめんごめん、俺が悪かった」
ヒデは笑いながらびしょ濡れの私を抱きしめる。
「笑い事じゃないんだから」
「クスッ、うんごめん」
「ほら、また笑って」
「クスクス…」チュッ。──あ!
ムッとする私にヒデがいきなりのキス!
「ダメ、こんなとこで、そんなんで誤魔化されないんだから」
あれ、さっきも夢の中で同じような事を言ったような─
「美緒さっきエッチな夢見てなかった?」
「……」
「なぁ?美緒」ニヤニヤ
エッチな夢なんて見てないよ。
ニヤニヤしないで!
1人で勝手に盛り上がってるみたいで恥ずかしくなった。
「そろそろ戻るって言って無かった?」
「クスッ─そうでした」
「でもその前に…美緒動くなよ危ないから」
何する気?
ヒデがライフジャケットを外しTシャツを脱いだ。
「ほら、これ着て」
全身ずぶ濡れの私にヒデは自分のTシャツを押し付ける。
ありがと
こんな不安定な場所で着替える事になるなんて思わなかったけど仕方ない。
ジェットスキーって凄いスピードだし濡れた身体のままじゃ寒いから!
ヒデに支えられ、Tシャツを脱いで顔を上げた。
すると…なぜかヒデが真っ赤になって眼を逸らすの。
なに?
「あ、いや、なんでもない」なによ…
「なんでもないから、早く着ろよ!戻るぞ」
はいはい、わかりました。