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飴色トライアングル【完結】
第15章 嬉しさと不安と…
「よっ!美緒ちゃん」
お神輿を囲む集団の中から私を呼ぶ声が聞こえた。
あ、おじさんだ!マズイ。
咄嗟にヒデの手を振り払った。
「?!あ~、ど、どうも~」
見られたかな?…手を繋いでるとこ
何となく気まずいよ。
だって…おじさんさんには女の子の友達が来るって言ってたのに来たのがヒデだもの
(なんだ、彼氏いるんじゃね~か)
おじさん達はニヤニヤしてたし
みんながジロジロ見るから恥ずかしくて逃げるように帰ったからな。
はぁ~正直、このまま家に帰りたいけど
無視するわけにもいかないし─
仕方ない。
「おじさん!昨日はありがとう。海老もホタテも美味しかったよ…あ、じゃまたね」
いいよねこれで…
挨拶はしたし、早く帰ろ!
おじさん達の視線が気になって足早に歩きだした。
なのにまたおじさんが…
「あ、おい美緒ちゃん!ちょっと待てって」
あ~呼ばれちゃった。
まだ何かあるの?
私はめいっぱいの笑顔を作って振り向いた!
ニコッ。
「な~に?おじさん」
「今から子供神輿が出るから…どうだ彼氏と一緒に見てかね~か?」
子供神輿?
毎年秋にやってた子供達のお神輿
今年から夏休みの観光シーズンに合わせてやることになったんだって!
昼間は気温が高過ぎて危ないからね。
夕方なら海風が気持ち良くてお神輿を担ぐには最適かも…
それじゃこの屋台はそれで?
組合と市役所の人達で屋台を出したりカラオケ大会までするらしい…
そうだったんだ!
「なあ彼氏…どうだ?」
おじさんったらわざと?
私がいるのに隣にいるヒデに話し掛けたりして…
夏祭りか…楽しそうだけど
急に話を振られてもヒデは困るよね?