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飴色トライアングル【完結】
第15章 嬉しさと不安と…
そろそろ始まるのかな?
提灯に灯りが点りスピーカーからは大音量の音楽が流れてきた。
その音楽に釣られて人が続々とやって来る。
「みんな、行くぞ~!」大きな掛け声
ドンッドンッ、カッカッ
〝ワッショイ、ドンドドン─ワッショイ〟
太鼓と笛の音…それに子供達の元気な掛け声が響く。
御神輿が夏祭りのオープニングかな。
いよいよスタートだね!
「ヒデ、行こ」
「クスッ─はいはい」
近くで見たくてヒデの腕を引っ張り近づいて行く。
いいね!太鼓や笛の音って…ワクワクする。
ドンッドンッ、カッカッ─
〝ワッショイ、ドンドドン─ワッショイ〟
法被を着て頭にハチマキ巻いて─可愛い子供達の姿を見てたら幼い頃の事を思い出した。
うちの田舎だから地域の行事も多かったな、お祭りに親子キャンプに奉仕活動…
クスッ─今考えたら多すぎじゃない!
「クスクス…」
昔の想い出に浸っていると横から小さな笑い声。
あ、ヒデが私を見て笑ってる。
「嬉しそうだな」
もちろんだよ。
だってヒデと一緒だから。
今は何をしても全部が嬉しいよ!
「美緒と夏祭りに来れるなんてな」
「……うん」
私も今、同じ事思ってたよ!
クスッ─
昨日から夢の世界にいるみたい。
「お~ぃ美緒ちゃ~ん」ん?え?
振り返ると、おじさんが私達に手招きしてる。
〝おいで〟だって。なんだろ!
ヒデと2人でおじさんの所へ行くと
「ほらよ」
あ、嬉しい!
おじさんから冷えたビールを貰っちゃった。
「これ、食うか?」
いいの?食べる食べる!
やったー!
焼いてたサザエまでもらって更にテンションが上がった。