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飴色トライアングル【完結】
第15章 嬉しさと不安と…
──帰り際
(美緒ちゃん…ちょっと…)
おじさんが何か言いたそうに手招きする。
なに?
顔を寄せると、おじさんが小声で話し掛けてくる。

(今夜……彼氏と───やるか?)ニヤ

(え、ちょ、なに言ってるの、そんな事…)
何を言うのかと思ったら……
やめてよおじさん
そんな話…誰かに聞かれたらどうするの。

まさかの話にビックリした
ほんとエッチなんだから
飲み過ぎだよ。

キョロキョロ
慌てて周りを確認した。
近くにいた人は─うん大丈夫そう!
誰も気づいてないみたい。

良かった!

(で、やるのか?──彼氏と)

だからおじさん!いい加減に……
(花火がこんなに残ってよ、持ってくか?)

え、花火?

子供達に配った花火がたくさん余ったから家で花火をするなら持ってけだって…
「あ、あ~花火ね、うん欲しい」アハハ、ハ、ハ

なんだ花火の事だったの?
ビックリした。
おじさんが変な言い方するから…
勘違いしたじゃない。
違う意味かと思ったよ!

クククッ─
勝手に勘違いした自分が恥ずかしくて
1人で笑っちゃった。


「美緒は…何と勘違いしたわけ?…」ニヤ
え、そんなの─

「花火…だと思ったよ」
「へぇ~!」ニヤニヤ
ちょっとヒデまでやめてよ。


「もう早く帰るよ…ヒデ、これ持って」
私は花火の入った袋を渡してヒデの後ろに回って背中を押した。

ヒデ─ほら、早く歩いて!
ちょっと…しっかり歩いてくれないと坂道なんだから重いんだけど…
わざとゆっくり歩いてない?

クスッ─ヒデ、笑ってる?
ん?あ、やっぱり!
「ふっ、美緒はほんと可愛いな」

可愛くないよ、もう。

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