この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
飴色トライアングル【完結】
第15章 嬉しさと不安と…
〝…あ~その事?…〟
由美の声のトーンが急に上がった。
なんだか──嬉しそう?
〝ウフッ、そうなの!実は、今一緒に住んでてね〟
一緒に…
じゃ、その話は本当だったんだね?
良かった!なんかホッとした。
〝お姉ちゃん、私は今幸せだよ!…だからお姉ちゃんも英昭さんと幸せになって〟
由美の言葉に涙が溢れてきた。
許してくれるの?私の事
〝…お姉ちゃん!もう我慢しないで…じゃなきゃ私が困るから〟
「グスッ、うんうん…由美、ありがと」
──///
仲直りしたんだな!
美緒がスマホを持ったまま泣きだした!
何度も鼻を啜っては頷いて……
そのうちスマホを俺に差し出してきた。
もういいの?
「由美と話できたか?」コクン
そっか!
由美もずっと気にしてたから良かったよ。
美緒からスマホを受け取り電話を代わった。
「もしもし、由美?」
〝英昭さん…お姉ちゃんの事、よろしくね〟
わかってる!
由美も幸せにな。
電話を終えて涙を拭う美緒を抱き寄せた。
「安心した?」
「コクン、由美…幸せだって!良かった」
そうだな。
由美が幸せじゃなきゃ、俺らが今こうしていることはなかったから!
「もう泣くな」
両手で美緒の頬を包んだ。
慌ててシャワーから出てきたんだな?
美緒の髪は濡れたまま、雫が首元から垂れていた。
「まだ濡れてるぞ」
指で雫を掬い上げた。
「ヒデに謝ろうと思ったの。さっき嫌な態度しちゃったから…」
クスッ─怒ってないよ。
ごめん俺が笑ったからだな。
ホントに可笑しくて笑ったわけじゃないんだ。
あのままキスしたら抑えが効かなくなりそうで自制したんだよ。