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飴色トライアングル【完結】
第15章 嬉しさと不安と…
──//
ジジジジ、パチパチ
2人並んで手元の小さな炎を見つめる。
「いいか美緒、勝負するぞ」
「─勝負?─うん、いいよ」

チリチリジッジッ─パチパチ
「綺麗だね……」
小さな火花は閃光を放ちながら丸い炎の玉を作っていく。

ジッジッパチパチ─

手を動かさないようにしなきゃ…
けど、震えちゃう。

「あっ!」
ボタッ!

「俺の勝ちだな」
「あ~もう、次は勝つから」
2人ならこんな楽しみ方も出来るんだね。

これで本当にラスト
よし今度こそ。

チリチリチリチリ、パチパチ…

ボタッ。

「ぁ…ムッ─やっぱり線香花火なんて嫌い」クスッ─
「怒るな怒るな」
ムクれる私を気遣ってか私の頭を引き寄せるヒデ

チュッ。〝んっ?!〟
その後すぐにヒデの唇が重なった。
「…ぁ…」
クスッ─
「美緒?─なに固まってんの?」

ヒデがクスッと笑いながら顔を覗き込んで来る。
だって急にキスなんてするから…

チュッ…あっまたぁ。
〝ん~もぅ…〟
またキスしてきたと思ったら、その後すぐに抱きしめてくる。
「……美緒?」
なに?─

ん?…ヒデ、どうしたの?

黙って私を抱きしめるだけでヒデが何も喋らなくなった。
不安になって顔を上げると─

「─美緒を連れて帰りたい」
そうヒデが呟いた。

「……」
そんなこと…言わないでよ!
考えないようにしてたのに。

グスン・・・・
どうしよう、また涙が溢れてくる。


「あ、なんて、冗談だよ、ごめん…美緒ごめん」
私の涙を見てヒデが焦りだした…
顔を覗き込んで、また抱き寄せる。

「またすぐに会いに来るから、な?」

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