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飴色トライアングル【完結】
第16章 彼のために出来ること
──//
ヒデが帰ってから数ヶ月
木々の葉も落ち朝晩はめっきり寒くなった。
それでも南星島の冬はわりと気候は温暖だし、足を延ばせば天然のイルカも見られるから相変わらず人気があってペンションは忙しかった。

これじゃ、まだまだ帰れそうにないな!
「はぁ~!」
分かってはいたけど
先の見えない現実にため息が出る。

「美緒ちゃんもういいわよ、上がって」
「あ、でも!」

今、私がため息ついたからだ、気を付けなきゃ!

私が暗い顔をしてると…みどりさんは─
(ごめんね美緒ちゃん、探してはいるんだけど)
(え、ううん今のは違うよ疲れただけ)

みどりさん…私とヒデの遠距離を心配して仕事を辞めてもいいって言ってくれたんだけど、自分たちの勝手でそんなこと出来ないから
私はここでは明るくしてなきゃいけないの!

大丈夫、ヒデは毎日電話をくれるし
私、頑張れるよ!

「いいから帰って、じゃないと私が休めないのよ……もう疲れちゃったわよヒロシがこき使うから、だから、ね?お願いもう帰って」

「……そう?じゃ、帰ります」
みどりさん、私に気を使って言ってくれてるんだと思うけどムリに居残るわけにもいかないし
有り難く思って帰ることにした。

───
今日もヒロシさんから余った賄いを貰ったから今夜の夕食はこれでよし。

ヒロシさんの賄いは最高
ここ最近、我が家の夕食はヒロシさん手作りの賄いが大半

量も多いからついつい食べ過ぎちゃうの。

「ごちそうさまでした」
よし、じゃお風呂に入ろ!


立ち上がろうとすると電話が鳴った。

♪.:*:・♪'°
きっとヒデだ!
ピッ「もしもし、ヒデ?」

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