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飴色トライアングル【完結】
第16章 彼のために出来ること

〝すみませんね、進藤さんじゃなくて〟へ?
「あ~なんだ~千秋だったの?」

ヒデじゃなかった。
どうりで電話が来るのが早いと思った!

〝…久しぶりに電話したのに酷いな先輩は…〟

あ、ごめん!
ヒデ以外に滅多に電話なんてないから
〝進藤さんから電話が来るなら切りましょうか?〟

千秋ったら…そんな言い方して─
嫌味言わないの!
「やだ、冗談だってば!ごめんごめん」

〝元気にしてますか先輩〟
「うん元気元気」
電話はヒデからじゃなかったけど気にかけて連絡をくれるんだから嬉しいよ。

〝まだ後任は見つからないんですって?〟
「…うんそうなの、え?」
千秋と話すのは久しぶりなのに
誰かに聞いたの?

「え…もしかしてヒデに会ったの?」
〝会いましたよ2、3日前に〟
そうなの?
千秋とヒデは時々駅であったりするみたいだから

でも昨日も電話したけど
ヒデも私には何も言ってなかったな!
……ま~それはいいんだけど

ヒデとは電話で話すだけだから、千秋から様子を聞けるのは嬉しかった。

「ヒデと話したんでしょ?」
〝ちょっとだけですけどね〟
「どんな様子だった?」

ヒデが駅を颯爽と歩く姿を想像して笑みがこぼれる。

〝う~ん!最近仕事が忙しいみたいで、すっごく疲れた顔してましたよ〟

え?…仕事忙しいの?
そんな返事が返ってくるとは思わなかった。
昨日も電話が来たけどそんな話してなかったし全然気づかなかったよ…

それに疲れた顔?

千秋は実際に顔を見て話してるんだから間違いじゃないね。

そっか!
仕事、忙しいんだ!

そう言えば昨日も私ばっかり喋ってたかも

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